2010年2月26日金曜日

セミナー|インタラ塾 第17回 「福田敏也プレゼンツ 出張!777塾」 #intarajyuku

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777interactive代表取締役・福田敏也さんがインタラ塾で話されるということで、Apple Store Ginzaまで行って参りました。無料ということで、ほんとによいんだろうかと毎度思います。いつも貴重な機会を提供してくだするインタラ塾さん、それにゲストの方には大変感謝です。

セミナー全体の内容については既にまとめてくださっている方がいらっしゃるようなので、以下は私の手書きメモベースでの勝手な振り返りです。
もし間違ってたら教えてください・・




サッカー選手が練習せずに、
いきなりワールドカップに行けるわけがない
企画も同じこと

これは以前お話されたテーマだそうですが、まったくその通りですね。企画をつくるところは仕事で体つかって実践していくのがよいと思いますが、私は基礎体力づくりみたいなところが足りないなーと反省しました。

例えば広告賞の受賞作をだーっと並べて受賞した理由を分析する、といったようなお話がありましたが、そこに時間を日々投資することを怠ってはいかんなと。

先日Yahoo!インターネットクリエイティブアワード2009の作品講評セミナーみたいなものにも行ったのですが、.spfdesignの鎌田貴史さんが良いクリエイティブを生み出すには「つくりまくるしかない」&「たくさんのものを見て、その理由を考える。」というようなことおっしゃっていました。

大学時代、佐藤雅彦さん(バザールでござーるのCMとか、最近だとNHKピタゴラスイッチ等の方)が「要素還元」ということをよく講義で話されていたことも思い出されれます。
賛否両論ですが、良いと思うものを並べて、そこから共通の要素を見いだすというものですね。佐藤さんがすごいのは、分析してから言語化するところなのですが、「濁音は気持ちいい(良いネーミングには必ず濁音が入っている)」等、今でもよく覚えています。

あー、うだうだ続きますが、大学時代といえばデザイン言語ワークショップという授業があって、そこで佐藤勲さんという方から、良いものを見ると同時に醜いものも見なければダメだ、というようなことを指導された記憶もあります。醜いものを知ることが、逆説的に良いものを知ることになる、ということだったのかな・・消化不良ですが。


分析し、言語化する


企画なりデザインなり、やはり何かをつくるには分析と言語化が必須なんだろうなと改めて思いました。

福田さんがおっしゃっていたような広告賞の分析というのは、自分の趣向分析にもなるし、世の中で何が評価されているのかの水準を知ることにもつながります。

で、突然ながら最近Tumblrのreblogに時間費やすは意味あるのかとか疑問に思うことがあったのですが、Tumblrは自分の趣味趣向の分析ネタになりますね。自分は何に惹かれるのか、良いと思うのかを見る道具です。reblogするばっかりだと気づきにくいかもしれませんが、archiveを振り返ると何か見えてくるのだと思います。(Tumblrに時間費やしている自分の正当化ww)

広告賞:世の中の評価分析
Tumblr:自分自身の評価分析

あとは言語化ですね。

対象は広告賞、Tumblr、何でもいいと思いますが、それらを分析して言語化することで、初めて自分の企画ツールになるのでしょうね。そこはやはり、各自が全身を動かしてつくっていくものなんだと思います。

よく、良いものばかり見ていると偽物が一発で分かる、なんていう話がありますが、良いものを分析する傍らで、ヒドいものを批評するのも一つの手なのでしょうか。こうあるべき、という独自の改善案が考えられれば良いのかな。


ぶっとい企画のための3要素
  1. ぶっとい柱(商品やブランドのコアな価値)
  2. 土台(何をいうのか)
  3. バネ(どういうのか/どう飛ぶのか)
1.ぶっとい柱がまずあり、そこに2.土台を乗せ、その上に3.バネをつけて飛ばす・・という言葉で通じるでしょうか。

1.のぶっとい柱は、商品やブランドが元からもっているコアな価値。
これは企画を考えるうえで、商品やブランドを深く理解する必要があるということなんだと思います。何で見聞きした話か忘れてしまいましたが、例えばウィスキーの広告を考えるとき、かの大貫卓也さんはまず、ウィスキーとは何なのか?徹底的に突き詰めていく、といいます。

1.をふまえて2.の土台をしっかりつくっておけば、表現となる3.のバネは説明がちゃんとつく、だから安心して任せてもらえる、ということでした。福田さんはカンヌで賞をとった作品を1.〜3.に当てはめて分析していったということです。

CMの事例として出されたのは以下2点。

日清カップヌードル「hangry」(大貫卓也さん)

1.は「お腹がへったらカップヌードル」。

サッポロ黒ラベル 「卓球編」

1.は「風呂上がりにサッポロ黒ラベル」。

いずれも1.は極めて当たり前の、ドセンターの軸になりますが、黒ラベルの例についていうと、3.については、当時CMでは珍しかった(?)10倍速近いスピードカメラをつかって、汗のしずる感などにこだわっていたそうです。これも1.や2.がしっかりしていればこそ、説明のできる3.ということでしょうか。

福田さんが最後の方でおっしゃっていましたが、博報堂時代は「有名なコピーを全部読め」と言われたとか。よくできたコピーはちゃんと商品やブランドに落ちているから、1.〜3.のつなげ方のヒントがある、ということだったと思います。なるほどなー。ここでも良いものを分析することの大切さが。


ドラえもんの道具一覧をブックマーク


面白かったのは、3.のバネのところで、福田さんはドラえもんの道具一覧(wikipedia)をブラウザですぐ見られるようにブックマークしていると。笑 ここはきっと聞いている方々はひっかかったところだと思います。

3.に必要なドキドキやワクワクといった、人が本来持っている欲望、ドラえもんでいうなら「あんなこといいな、できたらいいな」の要素がたくさんつまっているから、というのがその理由だそうです。なるほどなー。面白いです。実際役に立った道具とか、聞いてみたかったな。名刺交換させていただいたのに、今になって思います。


新しいメディア・技術を味方に


福田さんの事例として出てきたのはLUPIN STEAL JAPAN PROJECT(ルパン スティール ジャパン)

恥ずかしながらあまりちゃんとウォッチしていなかったのですが、mixiに始まり、twitter、YouTube、flickrなどのいわゆるソーシャルメディアを十二分に活かした事例でした。そもそもの目的はルパンの関連グッズの売上をアップさせるというものであったそうですが、見事その目的は達成したとのこと。

実はこの翌日にもApple Store Ginzaに来まして、web creators創刊100号記念無料トークイベントに参加したのですが、その際にもちょっとソーシャルメディアの話が出ました。

あまり詳しい事例は知らないのですが、海外では本の著者は本を書いて終わり〜ではない、と。著者はそれこそ先ほどのtwitterやYouTube、flickrのアカウントをとらされて、本ができるまでの過程をプロモーションしていくんだそうです。福田さんのルパンの事例も、各種ソーシャルメディアを使って、プロジェクトの過程が分かるという仕組みですね。

ウェブの世界だと、つい3.のバネ(新しいメディアとか技術)を先に考えてしまいがちですが、ちゃんと1.と2.をおさえて、3.をうまく味方につければ、これまでにない新しい表現はまだまだできる、というちょっと夢のある一言もありました。


ルパンの事例では、その他新聞15段や渋谷の裏道への犯行予告広告など(渋谷の裏道ばかり扱っている代理店があるんだそうです)、PR(ビルコム社)も含めて壮大なプロジェクトでした。

だって、渋谷のモヤイ像を盗むとか、BRUTUSの表紙を盗むとか、TAKEO KIKUCHIのブランドショップをすっからかんにするとか、ゴイスー。「盗みは最高のエンターテインメント」というのが、1.のぶっとい柱なわけですね。うちの商品も盗んでください、という依頼がきたほどだそうです。


というわけで濃ゆい1.5時間ゆえ、ついつい長文になってしまいました。
分析癖というか、良いものを自分の血肉にする努力からちゃんとやっていきたいところですね。


参考サイト:

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