セミナー｜IA2010フォーラム「HCD（人間中心設計）の理解」個人的振り返り #ia2010hcd

2月27日（土）に行われたIA2010キックオフセミナーに続くワークショップ付きのセミナーに参加してきました。

「HCD（人間中心設計）の理解 “今さら聞けないHCD”」
基礎講義＋ワークショップ
講師：浅野智氏（横浜デジタルアーツ専門学校教務部長）

HCDは「人間中心設計」とあるようにHuman Centered Designの略です。ここ数年、仕事にめり込み過ぎたせいか「HCD」ナンテイウ単語は耳にすらしていなかったのですが、IA2010のセミナーをきっかけに関心を持つようになりました。

講義＋ワークショップは大学に戻ったかのような感覚で新鮮でした。やはりワークショップをやると体に染みる感じがしてよいですね。やはり体を動かすと違います。

ゼリーを食べる人を観察する

ワークショップはオブザベーション（観察法）のワークショップで、ゼリーの製品企画というお題でした。ゼリーを食べる人を終始観察し、オブザベーションシートとよばれる紙に「作業ステップ」と「発話」、「エラーや問題点」、「改善案」をごりごり書いていきます。プロトコル分析（発話思考法）というらしい。（あってるかな・・？）

4人のチームで3人がゼリーを食べましたが、それぞれ細かい点に個性があって面白いです。フタの開け方だけでも、全開にする人、半分くらい開ける人、2/3くらいにする人と全部違いました。

発話という生データ

ワークショップの中で個人的に新しかったのは「発話」です。

ゼリーを食べる人が、「フタがちょっと固いです」「果肉が好きなので果肉を先に食べます」など、逐一行動について発話するというもので、単に第三者が観察しているだけよりも生なデータがとれる感じです。実際には「べとべとして気持ち悪いです」というのがしょっちゅうでてきて、うちのチームはこのべとべとを発端にして企画を考えるに至りました。
ウェブを対象にすると、「○○を探します」「あれ、このボタンでいいの？」「今どこ？」といった発話が出てくるのかな。一回ウェブでもやってみたいところです。

この発話を観察と同時に記録するのが結構大変で、実際にはビデオにとると思うのですが、15分のテストだと、ログをつくるのに大体その5倍くらいの時間がかかるんだとか。ツールもあるらしい。

サイトリニューアルの提案等で問題点を洗い出すことがありますが、個人個人の主観で出すにとどまっているような気がします。自分の周囲では。

今回のようなプロトコル分析は客観的だし、発話というユーザーの生の声というデータから今まで得られていなかったようなヒントが掴める気がします。思いつきそうで思いつかなかった手法だなー。一度実践でやってみたいけれど、人の協力をとりつけなきゃいけないし、時間も必要です。社内啓蒙が第一関門かな。まず自分が学ばないと・・。

HCDを導入しても評価されなければコストもでない、というなかなか絶望的な一言もありましたが、新人や寄せ集めのチームでも、手法を共有すればある程度のアウトプットが出せる、とも。ノウハウの蓄積のためにも、まずは継続的にやってみないといけませんね。社内で勉強会的にやってみようかな。言うはやすしですが。ゆくゆくはクライアントも巻き込まねばならないんだろうな。

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ワークショップにはお手伝いにきていた学生さんも合流したのですが、私のチームの学生さんはキビキビ動くし、手は速いし、社会人の中でも臆せぬ態度でした。立派やなぁ。あとでtwitter見て知りましたが、講師の娘さんだったようです・・！

twitterでハッシュタグ（#ia2010hcd）を追っていたら将来IAになりたいという学生さんも見られ、何だか時代の動きを感じた次第です。ウェブの業界は若い人材に困りませんね。わしも中学からやっとる身として負けていられんぜよ。

講師の浅野さん、Aチームだったみなさん、どうもありがとうございました。

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【参考リンク】

togetterのtwitterまとめ
当日のtwitterまとめ。ワークショップ中はさすがにつぶやき少ないですが、講義中のものは割とつぶやきがあります。
IA2010 フォーラム　セミナー「HCD（人間中心設計）の理解」
講師である浅野さんのブログ。ちょいちょい自分が見え隠れてしているのが恥ずかしい。探さないでください。
HCD-Net 人間中心設計推進機構

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【参考図書】